勅使河原の情報収集

賢い日常生活ライフハックアイデアの箇条書き風まとめ

食糧危機は本当に起きるのか?

サバクトビバッタによる被害が1割だったとすると、警戒国の生産量の減少分は、およそ1,695万トン(2019年度の実績をもとに計算)で、この分を輸入でまかなう場合、世界の小麦輸入量はおよそ1億9,672万(同)となり、世界全体の小麦輸入量が9.4%増加します。

 

農作物を食べ尽くすバッタの被害は、温暖化で今後ますます加速する

 

米国国内の大豆在庫が高水準であることについて、触れましたが、近い将来、この高水準に積み上がった在庫が、取り崩される可能性があると、筆者は考えています。

 11月の米大統領選挙に向けて、トランプ大統領が“農家票”を獲得するために、米国の農家にとって、有利な策を推進することで、在庫の取り崩しが起きる可能性があります。

 米国の農家にとって、在庫の取り崩しは喜ばしいことです。例えば、関係が悪化している中国と、貿易戦争をいったん鎮静化させて、中国に米国産大豆を購入させたり、中国以外の国々に、米国産大豆を購入させたりすることを実現すれば、農家は喜び、そのような策を推進したトランプ大統領を支持する可能性が生じます。

 そしてその時、市場では、過剰在庫が取り崩されたことを好感し、価格上昇の動機が生まれます。

生産減少・在庫減少が発生すれば、年末にかけて、穀物価格は反発色を強める可能性も

米中問題はこの数カ月間、悪化の一途をたどり、“第一弾の合意”は、日に日に、不履行となる懸念が高まっていると言えます。

 この不履行となる懸念は、米国内で、今年も大豆の在庫が余ってしまうのではないか?という懸念を生み、大豆価格、引いては、大局的に、同じようなタイミングで山と谷を描く“穀物銘柄”全体の、上値を抑える要因になっていると、考えられます。

 

 

 

米農務省は6月、2020~21年度の世界穀物生産量が27億6000万トンとなり過去最高を更新するとの見方を示した。穀物貿易量も4億5000万トンとこの10年間で1・5倍に増えた。